SUBMERGE / COALTAR OF THE DEEPERS

種別 : 日本 / アーティスト名 : : COALTAR OF THE DEEPERS / 発表年 : 1990s : 1998
  1. The Breastroke (edo techno/surf-thrash)
  2. Receive Assimilation (get in there mix 1/2size)
  3. Cell (final point mix)
  4. Silver World
  5. Sazabi
  6. dl++[delatetei] (sadesper record mix)
  7. Tim (pleasure → despair)
  8. Fuyunogyouninzaka
  9. Natsunogyouninzaka (final summer mix)
  10. Submerge (the theme from red anger)
  11. The Lifeblood
    太字:好きな曲
    金色:特に好きな曲
    曲名表記はブックレットに準じています。

COALTAR OF THE DEEPERSの2ndフルアルバム。

01. The Breastroke (edo techno/surf-thrash)

アルバムのイントロダクション的な役割を担うインスト。
荘厳に鳴り響く鐘の音から始まり、クラシカルなピアノとデジタルなシーケンスが立ち上がってきたかと思えばいきなり凶悪なギターが飛び出してきてめちゃめちゃ驚く。
楽曲としてはタイトル通り江戸とテクノとサーフとスラッシュという感じで、ちょっと和風感のあるサーフロックなギターソロが中心に据えられつつたまにスラッシュメタルになるという曲。

02. Receive Assimilation (get in there mix 1/2size)

前曲のアウトロに導かれて始まるオープナー。
オクターブ違いで重なる透明感のあるNARASAKIさんのボーカルに、ワウの掛かった空間的なクリーンギターと轟音ギターが混ざり合って浮遊感を伴いつつ疾走する曲。最高にかっこいい。

03. Cell (final point mix)

続くこちらはよりストレートに疾走するオルタナギターロック。直線的なかっこよさが前面に出てます。
スネアの連打に続きキメの連続で畳み掛けるドラムが大変かっこいいです。

04. Silver World

1分半程度の短いボサノヴァ。

05. Sazabi

アルペジオが印象的なポップな曲。
引き続き全体的にシューゲイザー的な轟音ギターが鳴り響いていますが、これ以前の曲と比べギターポップ的な甘いメロディが強調されています。

06. dl++[delatetei] (sadesper record mix)

ボサノヴァ+ドリルンベース。
お洒落な上モノと破壊的なドリルンベースのミスマッチ感が面白い。

07. Tim (pleasure → despair)

アルバム中最もどんよりとして重たい曲。8分間ひたすら陰鬱なコード進行を垂れ流し続けるギター。
シューゲイザーっぽさもありますが後半のギターはメタル的な重さで、どちらかというとストーナーロック感が強いです。

08. Fuyunogyouninzaka

前曲と次曲を繋ぐアンビエントな短いインスト。

09. Natsunogyouninzaka (final summer mix)

超名曲。
「夏の行人坂」というタイトルに相応しい、夏の茹だるような気だるさと切なさを伴うキラキラした美しさがシューゲイザーというフォーマットで完璧に表現された曲。
最後のサビで入ってくるシンセのストリングスが本当に綺麗。
イントロから最後のギターノイズの渦に至るまで徹頭徹尾完璧な曲だと思います。

10. Submerge (the theme from red anger)

疾走ハードロック。メロディはポップながらしっかりメタルしていて、刻みまくるギターが大変スラッシーでかっこいいです。
歌が終わって長尺のハードロックマナーなギターソロが繰り広げられた後、唐突にお洒落なラウンジミュージックに転換する曲展開も凄まじい。

11. The Lifeblood

ラストを飾る曲。「Natsunogyouninzaka (final summer mix)」に次いで好き。
前曲までで上がりきったテンションを冷ますかのような、かなりゆったりとした遅いテンポの曲。
音質もくぐもっていて、本当に生気の無い、ぼんやりとしていて陰鬱な曲なんですがメロディが非常に美しい。哀愁に満ちた胸を打つメロディ。遠くで鳴っているサイレンのようなギターにそこはかとない切なさを感じます。
『I'm standing alone on Christmas day』という歌詞も相まって、雪の降りしきる中をあてどもなく彷徨っているかのような光景を想起させられる。

ディーパーズのアルバムで一番好きです。
概してシューゲイザー色の強いオルタナギターロックという作風なんですが、そこにスラッシュメタルやドリルンベース、ボサノヴァ、アンビエント等の多様な音楽ジャンルが混ざり合っていて絶えず聴き手を翻弄してきます。
また特筆すべきはメロディのポップさですね。特に「Sazabi」「dl++[delatetei] (sadesper record mix)」「Natsunogyouninzaka (final summer mix)」などでは90年代ギターポップ的な良メロディを惜しげもなく披露しています。他の楽曲でも後にアニソンやアイドルへの楽曲提供で名を馳せることとなるNARASAKIさんのキャッチーなメロディセンスが存分に発揮されていてどの曲も素晴らしいです。
ユニークな音楽性と素晴らしいメロディが混ざりあった名盤だと思います。

2016/11/17 (Last Modified: 2023/02/14)
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